日本の伝統工芸・漆器 うるし工房 錦壽(山岸厚夫)
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山岸厚夫
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ニューヨークでのレポート(17/10/5〜10/13)      山岸厚夫




10/5(水)

 夕方にラガーデア空港に着きタクシーで市内に入って、ホテルに行くつもりが、タクシーの方に見せた住所の紙にコーリンさんの会社の住所が書いてあったことから会社につれて行かれました、予想外でしたが、中が明るかったのでブザーを鳴らして入ると何人かおられ、刃物の研ぎ師でもあるスガイさんと話することが出来ました。
その後ホテルに行って、コーリンの社長の川野沙織さんと食事しました。私が東京で食事する以上に日本料理をしっかり作っておられる所で私は感心しました。(料理店の名前はSUGIYAMAです)



◇10/6(木)

 午前中はホテルの部屋の風呂の問題やエアコンの温度調整など、部屋の問題解消でフロントに頼んで修理などしてもらった。
 午後から会場であるコーリンさんの店に行き、作品を並べたり、実演の準備をした。
 夜は浪花で食事しました。福井の方でアマツラさんと言ってシャープの会社勤務で夫婦でNYに来られ私の長女の友人の家の隣の方なのですが、3月にその長女の友達がNYの私の展示会にサンディエゴから5時間かけて来てくれて一緒に食事したのが縁で毎回、私がNYにくると食事するようになったのですが、前回も今回も浪花という日本料理店です、社長さんが福井県の勝山生まれで、NY福井県人会の会長さんなので,何かと利用させて頂いています。



◇10/7(金)


 夕方よりレセプションパーティーがあり、20人ほど来られた(大半がアメリカ人)
最初から漆塗りの実演をする予定であったが、まず漆の話をして下さいと言われ、漆は漆の木から採れ、木にキズを付けて採るやり方を写真を見せ、また実際の漆掻きの道具も見せながら説明した。通訳の方が区切っては通訳して下さった。
今までも国内で何回か漆の話をしたことがあるが、今回は特にくわしく丁寧に話をした。
それは漆の話を初めて聞く方が多いと思ったからです。
漆が木からにじみ出た色(チューブ入りの生漆を紙につけて説゛明)は白いミルクのようだが、空気に触れるとすぐ茶褐色になり、それが次第に黒っぽくなりますと、実際に紙に生漆をつけて、話している内に黒っぽくなるのをお客様に見て頂いた。
黒色は鉄粉をまぜて酸化させて作ることや、他のカラフルな朱や白、緑色などのいろんな色が顔料をまぜて作れる事を説明、しかし漆そのものが完全透明でないのでポスターカラーのような色は出なくて、すべて黒っぽい色になります、自然界の色に近いとも言えます。それが漆が固まった後、ドンドン漆そのものが透明化していくので、色漆の色は日が経つにつれてあざやかな明るい色に変化していきます。
漆の説明のあとは私の作品づくりの説明をして、木地に最初に漆を吸い込ませる木固めの重要さと皆さんがキズつくのがコワイとのことから、私は最初から前面キズだらけにしてしまうことを考え、そしてその上に漆をすり込むとより丈夫な表面になるとの説明をした。

質問がありませんかというと、次々と質問があった。
漆器の扱い方、洗い方を説明して下さいとか、漆塗りの刷毛についての質問、また私は和紙貼りや乾漆粉を蒔いたもの、ちぢりの表面を生かしたもの、布貼り、さびを生かした表情のサンプル板なども持っていったので作り方を説明したら,興味深く真剣に聞いて下さった。
話のあと、皆さんから漆の話を初めて聞いた、勉強になったし、興味を持ってきたと大変喜ばれた。

そして,この日、週間NY生活の取材があり、写真も撮られました。

多くの皆さんが帰られた頃(8:30PM)、日系3世で政府系機関で働いている方が来られ、私とさおりさんと3人での話になりました。
彼に来年、漆教室をやって頂けないでしょうか、つまり塗ったり作ったりするカルチャースクールみたいな事をしてほしい、と言われました。
私は初めてのことなので、まず小人数でやってみて、要領がわかってきたら多くの人数にしたらいいと思うと提案しました。
もしするとしたら私一人では大変なのでNY在住で漆塗り経験者や日本からも応援の方をお願いしたいと考えています。


遅くなったし、雨も降っていたので、夕食はとなりのメキシコ料理のオムレツを食べました。ベジタブルたくさんで美味しかったです。



◇10/8(土)

 地下鉄がテロ予告の影響からか、かなり乱れた運行で、普通なら15分で行く場所なのに1時間以上もかかってしまった。12時20分に着いたが、すでに漆の話を聞きたいお客様が待っていた。4人のアメリカ人であったが、その一人はすごく日本を勉強していて、なんでもコロンビア大学で日本のことを学んだそうだが、谷崎潤一郎の小説を読み(英訳されている)、その中に漆のことが書いてある、「ランプに照らされた漆の椀とその影は素晴らしい」という
内容のようですが、その英文を見せて,漆について私に色々質問されました。
その方は、自宅に戻って母が買ったという松の蒔絵が描いてある吸物椀を1人持って来られ、この椀をどう思うか,私の意見を求められました。他のアメリカ人も骨董の漆器を持っていると話していました。
やはり、漆の話を聞きたいと来られる方はすごい人が集まるなぁと感じました。
また、コーリンさんの社員の方も話を聞いて、より興味を持たれ,私がいて時間が空くと皆さんの質問責めでした。
夜は明日講演予定の茶庵さんでお茶を飲み、前の店(同じ経営者)のそばやで食事しました。
茶庵の店も雰囲気がよく、そばやのそばも本格的でおいしかったです。



◇10/9(日)

 茶庵というお茶を出す店で講演しました。そこはNY在住20年以上の方々ばかりで、デザイン界や茶の世界では名だたる大物の日本人ばかり10人ほどでした。
通訳の必要がなく、私は非常に話しやすく、盛り上がりました。ただ皆さんその道のエキスパートの方々ばかりなので私にとっては終始緊張していました。漆そのものの話と私のものづくり、そして国内販売での私の体験談を話ししました。皆さん、初めて聞く話でたいへん興味深かったと感想を言われ
今度11月に行われるフェリシモ デザイン ハウスにはぜひ行って、漆器買いますと言ってくださいました。
昼食は茶庵さんで頂いたのですが、なかなかの創作料理であり、特にデザートはオリジナルで工夫されており、感心しました。

夜は伊勢という日本料理店で食事しました。



◇10/10(月)

 この日は漆の話を聞きにくるというより、NYの日本料理店の方の訪問が多く,私が知っているMEGUのシェフの方々やノブレストランのシェフの方、最近オープンの忍者レストランの方々が来られ、色々な話で盛り上がりました。夜はオーナーと話題の忍者レストランに食事に行きました。なかなか面白く忍者屋敷の雰囲気がありました。



◇10/11(火)

 この日は私がフリーの日で、午前中は海老原さんのオススメでアートデザインフェアを見て来ました、これはお金持ちを対象とした素晴らしい作品の展示会で世界中から出品していました。4日間のみですが沢山展示してありました。入場料は18ドルでカバンや傘を預けるのに2ドル必要で合計20ドルでしたが、お客様は多く活気がありました。。それから日本人の方が経営されているギャラリーゲンとかギャラリー91に訪問しました。
アメリカンクラフトの事務所も行き、毎月雑誌を私の自宅に送ってもらう手続きをして帰りました。
ソーホー地区の中国人経営の百貨店があるのですが、日本の陶器や漆器、箸などものすごく安く販売しているのでビックリしました。

夕方、3月に個展をした、ギャラリーミチさんに行きスタッフと食事に行きました。LANという日本料理店で前にMEGUのフロアマネージャーをしていた鈴木さんがこの店に行かれたと聞いて初めて行きましたが、たいへん美味しく、特に肉に自信があると言われましたが,本当にうまいと思いました。



◇10/12(水)


 コーリンさんが寄付金の団体かなにかをされていて、コーリンさんを紹介するテレビ撮影がありまして、その中に日本から漆の作家が来て、今日は漆の話と実演されますと私を紹介していました。
たぶん何回か、その関係の番組がなにかで全米に放映されるのだそうです。 
そして今日はNY在住の私の知り合いが次々と来られ、なにか日本にいるような雰囲気の一日でした。
夜はコーリンの菅井さんにお願いしてジャズを聞きに行きました、BIRD LANDという店に行き食事をして演奏を聴いたのですが
食事中は前座のバンドが演奏しており、食後、私はものすごい睡魔に襲われ、菅井さんから疲れが出て眠そうですね、無理しないでおきましょうとの事で2曲聞いて帰りました、大変もったいないことをしたと反省しています。



◇1
0/13(木)

 午前中、来月の個展の会場であるフェリシモ デザイン ハウスに行き,皆さんと打ち合わせしました。
アメリカ人二人は漆器のことを知らないので私が簡単に話しすると、すごく興味をもたれたようです。
陳列は彼らして下さるようですし、皆さんがいろんな媒体に宣伝して下さるとのこと、大変うれしいとともに少し
プレッシャーも感じました。

夕方5時から日系の方々の美術展のオープニングパーティーの行きました。そこで3月にお会いした藤松さんと出会いました。彼は司会をされていたので中心的存在の方だと初めて知りました。
そしてその会場に週間NY生活の三浦さんが来られ、この前はコーリンさんでお世話になりましたと話しましたら、見ましたかと言われ、何ですかと問うと、もう新聞に載っていますよと言って見せて下さいました、ビックリしました。紙面の四分の一ほどの大きさで私の横顔が大きく写っているではありませんかチョット恥ずかしいようなうれしいような気分でその新聞をもらってカバンに入れました。
その新聞には加山雄三さんのコンサートなどもかかれている記事があり、コンサートを聞きには行けませんでしたが
同じ新聞に私が載ったことがうれしくなりました。
その後、ギャラリー91の海老原さんが来られ、新聞に載ったことを話すると、いいところに来たね、この会場に美術界の大物がすべて揃っているから紹介してあげる、その新聞を手にして来なさいと言われ、新聞記事を見せながら,数人の方を紹介して頂きました。
その後、コーリンの菅井さんと二人で日本料理店の酒蔵に行き、茶庵と酒蔵のオーナーの八木さんと会って色々な話で盛り上がりました。




10/14(金)

午後ラ.ガーディア空港を出発しました、しかし雨で出発が遅れて、デトロイト空港に着いたとき、すでに乗り継ぎ便は出発していました。今日は東京行きの便はないとの事でデトロイトのホテルに泊まりました。
慣れないのに、このハプニングは本当に不安でしたが、なぜかホテルでゆったり出来て疲れが少し癒された感じがしました。



◇10/15(土)

東京行きは満席との事で大阪、関空行きの便に乗り、10/16の夕方に空港に着き、自宅には12時ころに無事着きました。行きも帰りも乗り継ぎ便は不安が多いので11月は直行便を予約することに決めました。




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